まだ言葉も話せないような小さな赤ちゃんを連れて葬儀に参列する場合、その服装には特に気を遣うものです。周囲に不快感を与えず、かつ赤ちゃんの負担にならないようにするには、どのような配慮が必要なのでしょうか。特に、靴や靴下といった足元のマナーは、意外と迷うポイントかもしれません。まず、まだ歩けない月齢の赤ちゃんの場合、厳密な意味でのフォーマルな靴は必要ありません。むしろ、硬い革靴などは赤ちゃんの足に負担をかけるだけです。基本的には、靴下を履かせるか、あるいは足全体を覆うタイプのロンパースなどを着用していれば十分です。靴下を履かせる場合の色ですが、基本は白か黒、あるいはグレーなどの落ち着いた色が望ましいでしょう。清潔感があれば、淡いパステルカラーなどでも許容されることが多いですが、ご遺族への配慮を第一に考えるなら、やはり白や黒が無難です。素材は、赤ちゃんの肌に優しい綿素材などが適しています。デザインは無地が基本ですが、小さなリボンや控えめなレース程度であれば問題ありません。一方で、赤ちゃんは靴下を嫌がってすぐに脱いでしまうこともよくあります。そのような場合は、無理に履かせる必要はありません。裸足のままでも、マナー違反と咎められることはまずないでしょう。ただし、冬場の葬儀など、会場が冷えることも考えられます。その場合は、体温調節の意味も込めて、脱げにくいレッグウォーマーやタイツを活用するのがおすすめです。色は靴下と同様に、黒や白、グレーなどが適しています。もし、よちよち歩きを始めたばかりで、ファーストシューズなどを履かせる場合は、黒や紺などのダークカラーで、装飾の少ないシンプルなデザインのものを選びましょう。音の鳴る靴は、静粛な儀式の妨げになるため絶対に避けるべきです。赤ちゃん連れの参列は、それだけでご遺族に気を遣わせてしまう可能性があります。だからこそ、服装などの目に見える部分でできる限りの配慮を示し、「きちんと弔意を表したい」という気持ちを伝えることが大切です。完璧なマナーよりも、その心遣いが何よりも重要とされるのが、赤ちゃんと共にある葬儀の場なのです。
赤ちゃん連れの葬儀と足元の配慮