大切な方が亡くなった後、ご遺体を火葬するまでの間、そのお姿をできるだけ生前のままに保つために不可欠なのが「ドライアイス」による処置です。これは故人の尊厳を守るために極めて重要な役割を果たします。では、このドライアイスにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。葬儀におけるドライアイスの費用は、一般的に「1日あたり」で計算されます。その相場は、1日(約10kg)あたり5,000円から10,000円程度です。この金額には、ドライアイス本体の料金だけでなく、スタッフがご遺体の状態を定期的に確認し、最適な位置に交換するための専門技術料や人件費も含まれています。葬儀社は24時間体制で対応にあたるため、深夜や早朝の処置・交換にかかる人件費もこの費用に反映されています。葬儀全体のドライアイス費用は、亡くなられてから火葬するまでの「安置日数」によって変動します。例えば、友引を避けたり、火葬場の予約が混み合っていたりして安置日数が3日間となった場合、総額は15,000円から30,000円程度が目安です。多くの葬儀社の基本プランには、1〜2日分のドライアイスが含まれていることが多いですが、それを超える分は追加料金となるのが一般的です。見積もりを確認する際は、プランに含まれる日数と、超過した場合の1日あたりの追加料金単価を必ずチェックしましょう。「ドライアイス一式」と記載されている場合は、その内訳(何日分か、何キログラムか)を確認することが後々のトラブルを避けるために重要です。この費用は、決して単なる冷却材の代金ではありません。ご遺族が安心して故人と対面し、心ゆくまでお別れをするための時間を確保するという、プライスレスな価値を持つ「尊厳を守るための費用」であると理解しておくことが大切です。