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2026年3月
  • 自宅安置と斎場安置のドライアイス費用

    生活

    故人を火葬するまでの間、どこにご遺体を安置するかによっても、ドライアイスの費用は変わってくる可能性があります。安置場所の主な選択肢は「ご自宅」と「葬儀社の斎場(安置施設)」の二つです。まず、「ご自宅」に安置する場合です。住み慣れた家で最後の時間を過ごさせてあげたいという想いから選ばれることが多いですが、費用面では割高になる可能性があります。一般家庭の室温は、季節にもよりますが、ご遺体の保全には適していません。そのため、斎場の専用施設に比べて多くのドライアイスが必要になったり、交換頻度が高くなったりする傾向があります。また、ドライアイスを交換するために、葬儀社のスタッフが都度自宅を訪問する必要があるため、その分の出張費や人件費が別途加算されることもあります。次に、「葬儀社の斎場」に安置する場合です。多くの葬儀社は、ご遺体専用の安置施設を所有しており、そこには温度や湿度が管理された専用の保冷設備(安置用冷蔵庫)が備えられています。このような専門施設であれば、ご遺体の状態を非常に安定して保つことができるため、ドライアイスの使用量を最小限に抑えたり、場合によってはドライアイスが不要になったりすることもあります。その結果、トータルのドライアイス費用は、自宅安置に比べて安く済む可能性が高くなります。ただし、斎場に安置する場合は、「安置料」が別途必要となります。この安置料に、保冷設備の使用料や管理費が含まれていると考えられます。葬儀の見積もりを確認する際には、「安置料」と「ドライアイス料」がそれぞれどのように計上されているか、また、斎場安置にすることでドライアイス費用がどのくらい変わるのかを、葬儀社の担当者に詳しく確認してみると良いでしょう。

  • 父の葬儀で知ったドライアイスの重み

    知識

    夏の盛りのある夜、故郷の母から父が倒れたとの知らせを受け、私は急いで最終の新幹線に飛び乗りました。しかし、私の願いも虚しく、病院に着いた時、父はすでに息を引き取っていました。悲しみに打ちひしがれる間もなく、葬儀の準備が始まりました。真夏の暑さの中、父の遺体は葬儀社の斎場に安置されることになりました。担当者の方が、父の体にそっと白い布をかけ、その上からタオルに包まれた角氷のようなものをいくつか置いていくのを、私はぼんやりと眺めていました。それがドライアイスでした。翌日、翌々日と、打ち合わせのために斎場を訪れるたび、スタッフの方が新しいドライアイスを交換していました。その度に、父の周りから白い冷気が立ち上り、それはまるで、父の魂が少しずつ天に昇っていくようにも見えました。日に日に交換されていくドライアイスの塊は、私に時間の経過を冷徹に突きつけました。この冷たい塊が、父の体をこの世に留めてくれている。それが無くなるとき、父は本当に遠い場所へ行ってしまうのだと。滞りなく葬儀が終わり、後日、葬儀社から届いた請求書を見た時、私は「ドライアイス代」という項目に目が留まりました。数万円というその金額は、決して安いものではありませんでした。しかし、その数字を見ても、私は「高い」とは感じませんでした。あの夏の暑さの中、父の顔が穏やかなままで、私たちが心穏やかにお別れをすることができたのは、間違いなくあのドライアイスのおかげだったからです。それは、単なる冷却材の代金ではありませんでした。それは、父の最後の尊厳を守り、私たち家族が悲しみと向き合うための、静かでかけがえのない時間を与えてくれたことへの対価なのだと。ドライアイスの冷たさと重みが、父の死の重さと、私たち家族への最後の優しさのように、私の心に深く刻まれています。